コンセプト:素材の「やわらかさ」を活かすテクノロジーを追求
人を幸せにする「やわらかさ」の追求
人は、心地よい肌触りによって、「幸せ」を感じることができます。
「やわらかさ」をデザインするテクノロジーの研究
「やわらかさ」+「力強さ」=『次世代ソフトアクチュエーター』
『やわらかさ』とは何か?
「やわらかい」の定義(広辞苑,第六版, 2008年1月11日, pp.2849-2850)
【柔らかい・軟らかい】 [形](文)やはらか・し(ク)
①物の性質・状態が堅くない。しなやかである。ふっくらしている。
◇「柔」は「剛」の、また、「軟」は「硬」の、それぞれの対語の意味で使われることが多い。
「柔」は、力を加えて変形してても元に戻る場合、「軟」は、力を加えると変形しやすく元に戻らない場合によく使う。
以上から、工学的に「柔さ」は弾性、「軟さ」は塑性と等価な語感があることになります。(下図)
※「剛い」は死語になりつつあるようです。(著者注,2015/8/1)
「やわらかさ」を物理学的に定義する:構成式と『弾性』
あらゆる素材のやわらかさを比較する:物性値「ヤング率」の活用
最も基本的な物理量/物性値の1つであるヤング率は、固体・液体・気体という3つに大別できる物質(モノ)の状態(三態)の中でも固体(solid)において定義できるものですが、その大きさについては引張り試験や圧縮試験、押込み試験など多様な試験方法よって計測ことができます(下図)。
ここで、ヤング率の単位は、荷重F [N] の面積あたり大きさである応力σ[Pa](Pa = N/m2)と変形量[m]を比率で表したひずみε[-](=m/m、無次元量)の比例係数を表すことから、Paで表現されることとなります。
『やわらかさをデザイン』するテクノロジー
なぜ「かたさ」ではなく「やわさ」か?:人のためのテクノロジー
素材の変形しやすさを表現する際に、人は自分が持つ基準よりも変形し難いモノを「硬い」と表現し、変形し易いモノを「柔い/軟い」と表すことが多いものです。
特に、人に心地良さを与えることができるものが多いことから、素材の「やわらかさ」を適切にコントロールできるテクノロジーの研究開発は、身に着けるモノの高品質化を実現するために無くてはならないものです。
やわらかさデザイン:先端テクノロジーを駆使した取組み
その変形の大きさから従来は困難であった「やわらかさ」の解析が、コンピューターテクノロジーの発達と普及によって、かつてよりも正確かつ効率的にできるようになってきました。
また「やわさ」の計測テクノロジーも充実してきたことから、「人を幸せにする『やわらかさ』」が如何なるものかについて、これを理論的に解析できる時代へと至っています。
このように、「やわらかさデザイン」は、いまQOL(quality of life)を向上させる重要なキーテクノロジーの1つとして確立が求められている技術です。